骨盤ベルトの特性を理解して症状・体型に合わせて使い分けよう
骨盤ベルトと一言に言っても、形状や巻き付ける強さなどでいくつかの種類に分類することが出来ます。
それらの中から自分の症状に合わせたものを使用するのが大切です。
骨盤ベルトを分類して特徴を以下のようにまとめました。
初めて購入する人や、現在使っているものが自分に合わないと思っている人は参考にしていただければと思います。
骨盤ベルトとは
腰痛対策
骨盤ベルトとは腰痛がひどい時に使用するベルト状の物です。
コルセットと良く似ていますが、コルセットは腰全体を幅広く締め付けて、筋肉全体を支えるものです。
コルセットは、交通事故や病気などで立っているのもままならない人などが、支えとして使用する場合が多くあります。
なので、コルセットにはプラスチック製のステー(支えとなる板状のもの)が入っていることが多いです。
それと似ているのが骨盤ベルトですが、主に腰痛がひどい時に骨盤を適度な力でしめて腰痛緩和を行うものです。
なぜ腰痛になると骨盤をしめると効果的なのかと言うと、腰痛がひどい人の場合骨盤が歪んでいたり開いて緩んでいることがあります。
骨盤が正しい位置にないと、腰回りの血流が悪くなったり腰回りの筋肉を偏って使っていたりするので痛みに繋がってしまいます。
そういった腰痛の原因を正すために、骨盤ベルトを巻いて対策します。
妊婦帯
また、骨盤ベルトは腰痛対策だけでなく、産前・産後の骨盤の緩みも改善してくれます。
妊婦さんは産前には赤ちゃんを産む準備のために、骨盤周りの関節や筋が緩みます。
そのために、腰痛になったり体の不調に繋がります。
そんな時には、骨盤ベルトを巻いてあげると症状が緩和されます。
そして、産後には赤ちゃんを産んだことによって骨盤が開いてしまいます。
そのまま開いた状態を続けておくのは良いことではありません。
骨盤が開いたままだと、日頃の姿勢は悪くなり内蔵の位置まで変わってしまいます。
そんな状態になると、腰痛だけでなく歩き方が悪くなったり様々な箇所へ痛みが生じる可能性があります。
それが結果として痩せにくい体質に繋がってしまい、産後の女性の悩みの1つになりがちです。
なので、産後には骨盤ベルトを巻いて、開いてしまった骨盤をしめて元のように正してあげなくてはなりません。
使用する時期や巻き付ける強さなどは、産院の医師や助産師にアドバイスしてもらうと良いでしょう。
骨盤ベルトの形状
幅広タイプ
骨盤ベルトには使用用途や使用者の体型に合わせて様々な形状があります。
自分の症状や体型に合わせたものを使うことで、より効果的に利用することが出来ます。
まずは、骨盤ベルトの幅についてです。
縦幅が広いタイプのものから縦幅が狭いタイプのものまであります。
体型別で言うと、胴体のくびれがあまり無い人には幅広タイプがおすすめです。
腰回りがふくよかな方や男性には幅広タイプが合いやすいです。
しかし、幅広タイプで注意すべき点はフィット感を感じにくいところです。
縦幅が広い分、体のラインに沿わせて装着するのが難しくなります。
最終的に巻き付けるベルト部分が工夫されて2~3本にわかれているような形状であれば、体に合わせて装着出来るので良いでしょう。
幅狭タイプ
幅狭タイプについては、ポイント的に骨盤を引き締めてくれます。
そのため、胴体のくびれがありベルトが体に合いにくいという人でも使いやすいタイプです。
女性で骨盤周りとウエストサイズの差が大きな人にはおすすめです。
また、幅狭タイプだと洋服の下に着けても、目立ちにくいというところが特徴です。
ジーンズやスカートの下に装着しても目立ちにくいです。
しかし、幅が狭い分ズレにくくなることもあります。
激しい動きや、立ち座りの連続があるような時にはズレて不快に感じるかもしれません。
そんな対策として、骨盤ベルトの肌面になるところには滑り止め加工が施されている商品も数多くあります。
骨盤ベルトは直接肌に巻き付けるものではないので、洋服や下着との摩擦を作ってあげるとズレ防止効果があります。
骨盤ベルトの素材
布製
骨盤ベルトは形状だけでなく素材も様々あります。
通信販売や店頭で良く見かける主流のものは布製です。
布製の良いところは、吸水性と肌へのフィット感です。
汗をかいても骨盤ベルトの素材が吸水してくれるので、蒸れにくくなっています。
また、布製だと多少のデコボコ感にもフィットしてくれて、体に沿わせて装着することができます。
ゴム製
布製の他には昔からあるのがゴム製の骨盤ベルトです。
ゴム製の良いところは、巻き付ける強さと安心感です。
ゴムならではの巻き付けた時のしっかり感があります。
布製とは違い、巻き付けた後に戻ろうとするゴムの力があるのでしっかり引き締めて欲しい人にはおすすめです。
厚みもある程度あるので、装着時の安心感もあります。
ただ、ゴムということで吸水性はありません。
汗をかいたときに、蒸れやすくなるので夏場や暑い場所での装着時には注意が必要です。
こまめに巻きなおして汗を拭き取ってあげると良いでしょう。
装着をしたことで肌が荒れてしまって新たな不調が生じては元も子もないので気をつけなければいけません。
正しい使い方をしましょう
締め付け具合や、使用する時間帯について
骨盤ベルトを使用する際には症状や体型に合わせたものを使うこと以外にも基本的な部分での注意も必要です。
巻き付ける際の締め付け具合は、その人の症状に合わせて行いましょう。
特に注意が必要なのは、高齢者の方や妊娠中の方です。
高齢者の方できつくしめすぎてしまうと、内蔵が圧迫されたり肌とすれた時に傷になってしまうことがあります。
きつくしめたから効果的ということではないので、適度にしめて苦しくない程度で利用するようにしましょう。
また、妊娠中の方も同じくきつくしめすぎてしまうと、赤ちゃんに悪影響となります。
息苦しさや痛みなどを感じた場合は、すぐに装着をしなおすか外して休憩すると良いでしょう。
最近では、妊婦帯の種類も充実していてお腹全体を支えながら骨盤ベルト機能が付いたものもあります。
基本的に妊婦用の骨盤ベルトや妊婦帯の締め付ける力は弱めに作られているので、しめすぎてしまうことも少ないとは思いますが、使用する際には注意が必要です。
そして、骨盤ベルトを使用する時間帯についてですが、大抵の骨盤ベルトは就寝時の使用は避けるようにと説明書に記載されています。
就寝時にまで使用してしまうと、寝返りの時にズレてしまっていても気付かなかったり、長時間の装着は肌に良くなかったりするからです。
飽くまでも起きて行動している時に使用することで機能を発揮するように作られているものです。
長く着けていれば効果が出るというものでもありません。
使用上の注意はそれぞれの商品の取扱い説明書に明記されているので、事前にしっかりと確認してから使用することをおすすめします。
大丈夫だろうと使っていても、体に負担をかけてしまうこともあるので自分だけの判断は要注意です。
まとめ
骨盤ベルトは症状によって素材や形状を選びましょう。
間違った選び方をしてしまうと、骨盤の位置を正すどころかかえって逆効果になってしまいます。
もしも、自分で選ぶ自信が無かったり、一度着けてみたものが体に合ってないなと感じた場合は、整骨院の先生などに相談するのも良いでしょう。
専門知識のある人に症状と共にみてもらえば安心だと思います。