腰痛コルセットを病院で作る時に役に立つかもしれない体験談

お医者さんのがっちりコルセット L-LL

皆さんは腰痛コルセットという言葉を聞いてどのようなイメージが頭に浮かびますか。

文字通り腰痛を緩和サポートするための装具で薬局やネット通販でも購入することが出来ます。

中には整形外科医が監修した製品もありますが、購入する時にはサイズが多いのでウエストのサイズを基準にして選ぶことをおすすめします。

一般的な腰痛コルセットはサイズも調整できるようになっていますので、自分に合ったものを必ず見つけることができます。

今ではパソコンやスマホで調べてネットでも購入できますので、ここでは私が使用した病院で作った腰痛コルセットについて説明していきたいと思います。



病院で作る腰痛コルセットについて

病院で作る腰痛コルセットは腰椎圧迫骨折や腰椎椎間板ヘルニアの治療を目的として患者に合わせて型を取ってから手作りするコルセットのことを指しています。

これからは自分で実際に使用した病院で作った腰痛コルセットの製作から処分方法に至るまでの体験談について詳しく説明していきます。

あまり目にすることがない腰痛コルセットなので皆様の知識の一つに加えていただけることが出来れば有り難いと考えています。



病院での腰痛コルセットの製作

2013年の11月から2015年の2月に退院するまでに4回の入退院を繰り返していました。

入院の理由となった病気は進行性の希少難病で完治した例は世界でも報告例がありません。

治療法が無いためにいろいろな薬を投与して様子を見るために薬の副作用も多く出ることがあります。

その副作用の中に1型糖尿病と骨粗しょう症が含まれていたため、知らないうちに腰の2か所と背中の1か所を骨折していることが分かったのです。

この時は3回目の入院中で、以前にも腰椎の椎間板ヘルニアで骨移植の手術をしたことがあったので慢性的な腰痛と左足のしびれは感じていました。

ところがこの時は腰痛がひどかったので整形外科を受診してレントゲン撮影をしたことで、骨折が3か所あることが分かったのです。

医師の判断で早急に骨盤から肋骨までのコルセットを作ることになり、すぐに隣の処置室で腰痛コルセットを作るための準備が始まりました。

製作までの準備

どのようにして病院で患者専用の腰痛コルセットを作るのか知っていますか。

鋳造品を作る時に型枠を作る作業に近いものだと想像してみて下さい。

ギブスの型に合わせてコルセットの内側が体にフィットするように装具を製作するのです。

腰が痛くて我慢するのがやっとの状態でしたが、コルセットの型を取るためには両手で上にある棒を握ったまま動かないようにする必要がありました。

骨盤から肋骨の中程までのコルセットを作るために配送業者が荷崩れを防止するために使用するような大きなラップを何重にも巻き付けられました。

まるで荷物を梱包する作業を行っているようでした。

ラップを巻き終わると今度はギブステープの巻き付け作業です。

この時には腹部を少しへこますようにすることがおすすめです。

理由は後の文章の中でわかると思います。

ギブステープは単純に巻き付けるのではなくて方向を変えて何回も巻くので次第に体が固まっていくことを実感しました。

不思議だったのは意外とギブステープを巻かれていた時に体が温かく感じたことでした。

30年前に上半身のほとんどにギブステープを巻かれた時のことを思い出してしまいました。

装具製作業者に対して感じたこと

業者の人は二人でとても手慣れた感じで作業を行っていたので安心感がありました。

ギブスが固まって前後に半分に切り離した後に1枚のメモ書きを渡されました。

型を取ってみないと費用が計算できないことは分かっていましたが、唐突に金額を書いたメモを渡された時には少し驚きました。

すぐに支払いをして欲しいという気持ちが感じられたからです。

病院で作る腰痛コルセットには保険が適用されないことを知っていましたか。

残念ながら今の日本では保険適用の制度がありません。

実費で6万円近い金額は予想を大きく上回るもので、翌日に病室まで集金に来ましたが請求書は持ってきませんでした。

お金は用意していたのですがメモ書き1枚で支払いをすることには抵抗があったので、請求書を持ってきたら支払うことを約束しました。

メモ書きは見せられただけで紙を渡してもらえなかったので少し不安に感じたからです。

腰痛コルセットの完成と装着

腰痛コルセットの型を取ってから1週間くらい経って業者の人が、出来上がった専用の腰痛コルセットを持ってきて病室へやって来ました。

早速その場で装着してみて感触を確かめましたが、マジックテープで固定すると特に違和感があることはありませんでした。

さすが職人の手作りという感じがしました。

コルセットは起きている時と夜中にトイレでベッドを離れる時には必ず装着しなければならないように指示されていましたが、ベッドがトイレに近いこともあって装着しないで行っていました。

ある時に運悪く巡回中の看護師に見つかってしまい注意されましたが、それ以降は巡回時間を考えて行動するようにしていました。

指示通りにしてくれない悪い患者だったのかも知れませんね。

実際に装着して感じたこと

専用に作られたコルセットは頑丈に作られていたので装着している時には上半身が固定されて全く曲げることは出来ませんでした。

歩くのには困りませんでしたがトイレに行ったときに自分で尻を拭くことに一番苦労しました。

最初の方にも書いた通り薬の副作用で1型糖尿になってしまったので毎日食事前のインスリン注射は欠かすことが出来ませんでした。

この時に専用コルセットがマジックテープで固定するものであることが幸いしました。

インスリン注射はへその周りを時計回りに場所を変えて打つことになっているので、マジックテープを外して前を広げるだけで注射を打つことが出来るので簡単でした。

しかし、病院で自分専用のコルセットを作る時に気を付けなければならないことを怠ったために思わぬ問題が起こる原因となってしまったのです。

当時は糖尿食を食べていたのですが、コルセットで体を締め付けていたために糖尿食も半分くらいしか食べることが出来ませんでした。

このため次第に痩せていく自分に気が付くのが遅れてしまったのです。

専用の腰痛コルセットの問題点

自分専用の腰痛コルセットは型を取った時の体形に合わせて作ってあるため、太った場合にはマジックテープを緩めることで多少の調整はできますが、痩せてきた場合にはサイズを小さくすることが基本的にできないようになっていたのです。

コルセットの正しい付け方は仰向けになった状態でつけるのが一番良いと言われています。

そのことを型取りの時に意識していなかったので腹部を仰向けに寝ている状態にすることを意識していなかったのです。

コルセットが緩くなってしまうと十分な固定効果が出ないので、骨折した部分が動いてしまう恐れが出てきました。

急いで業者に連絡を取ってもらって来てもらいましたが、選択肢は2つしかありませんでした。

もう1度作り直すかマジックテープをできるだけ長くして、余裕のある部分まで締め付けるのかを決めなければなりませんでした。

作り直すと最初に作ったように多額の出費が必要になるので、マジックテープを長くする方法を選ぶことにしました。

退院する時期は3月に決まっていたので長く使用することはないと考えたからです。

腰痛コルセットからの解放

退院してから最初の通院の時に医師に腰痛コルセットの装着を続ける期間を確認したところ、最低3か月間は装着するように言われてがっかりしてしまいました。

次の通院日が3か月後だったので、その時の画像を見てから判断することになりました。

希望通り3か月後に専用コルセットを外して良いという言葉を聞いた時には本当に開放感を感じました。

この解放感は体験した人にしか分からないかもしれませんね。

体を自由に動かすことが出来るのは幸せなことですが、病気の方は確実に進行していたので自由に歩くことは出来なくなっていました。

通院の時にはタクシーを使うしかなかったので車の運転免許証を返納して運賃を1割安くすることにしました。

家の中では自由に動くことが出来たので開放感は感じていました。

腰痛コルセットの処分について

腰痛コルセットが必要なくなってからは起き場所に困ってしまいました。

骨は完全に元通りになって、骨粗しょう症の薬も飲んでいたので使うことは無くなり、病気についても薬の見直しなどでステロイド剤は飲まなくなっていました。

薬の副作用のリスクからも解放されたのです。

コルセットを処分する方法についてゴミの回収センターへ電話して確認したところ、燃やすごみの袋に入る大きさであれば普通に出すことが出来ると言われましたので安心しました。

30リットルの燃やすゴミの袋に丁度入る大きさだったので、燃やすゴミの回収日に他のゴミと一緒に出して処分することが出来ました。

これでコルセットを目にすることが無くなったので病院での思いも一緒に処分することが出来て気持ちも楽になりました。

古くなった腰痛コルセットを処分する時は市販品であれば燃やすゴミとして処分することをおすすめします。

まとめ

腰痛は現代人に多い症状なので困っている方もいると思います。

症状が軽い時には市販品の腰痛コルセットでも良いものが出回っていますので自分に合ったものを見つけて使用するとずいぶん楽になります。

腰痛コルセットを作って装着することで骨折した部分は見た目には少し変形していますが、今ではレントゲン写真を撮っても全く分からい程度になっています。

食事も以前に比べて気を付けるようになってきたので、体重計で骨格率を見ても標準よりも数値が高くなっています。

今も病気のために腰痛だけでなく体中の痛みと格闘する毎日ですが目を覚ますことが出来るだけでも満足しています。